オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「私の身体が目的だったりするわけ?」
「……え?」
「だって、ありえないじゃない。なんのメリットも無しに初対面の人を助けるなんて。ましてや私はアルファなのよ!? 女なら身体を差し出す以外、どうやってお礼すればいいっていうのよ!」
これでさっきの話はなくなった、な。
彼は優しくしてくれたのに、私はそれを拒絶という形で返してしまった。さすがのイケメンでもこれは呆れたわよね。
「メリット無しに人を助けてはいけないって誰が決めたんですか? それに女性なら身体を差し出してお礼をするなんて……そんな、そんな悲しいこと言わないでください」
「え、ちょっと……。なんで泣いてるの?」
私の発言で彼を泣かせてしまった。どう慰めていいかわからずアタフタしてしまう。
「俺は貴女にそんなことを望んでいません。貴女には幸せになってほしいんです。俺、アルファとかオメガだとか関係なく仲良く出来ればいいなって思ってるんです」
なにを言い出すかと思えば、アルファやオメガ関係なく仲良くですって?
そんなことできるわけがない。世界がもうそうなってしまったのに、今更変わるわけない。
差別されてきたオメガはエリートになって最初は混乱しただろうけど、きっと今ではアルファが地に堕ちて、いい気味だって思ってる。けして言葉にしなくても、心のどこかではそうおもってる。
「……え?」
「だって、ありえないじゃない。なんのメリットも無しに初対面の人を助けるなんて。ましてや私はアルファなのよ!? 女なら身体を差し出す以外、どうやってお礼すればいいっていうのよ!」
これでさっきの話はなくなった、な。
彼は優しくしてくれたのに、私はそれを拒絶という形で返してしまった。さすがのイケメンでもこれは呆れたわよね。
「メリット無しに人を助けてはいけないって誰が決めたんですか? それに女性なら身体を差し出してお礼をするなんて……そんな、そんな悲しいこと言わないでください」
「え、ちょっと……。なんで泣いてるの?」
私の発言で彼を泣かせてしまった。どう慰めていいかわからずアタフタしてしまう。
「俺は貴女にそんなことを望んでいません。貴女には幸せになってほしいんです。俺、アルファとかオメガだとか関係なく仲良く出来ればいいなって思ってるんです」
なにを言い出すかと思えば、アルファやオメガ関係なく仲良くですって?
そんなことできるわけがない。世界がもうそうなってしまったのに、今更変わるわけない。
差別されてきたオメガはエリートになって最初は混乱しただろうけど、きっと今ではアルファが地に堕ちて、いい気味だって思ってる。けして言葉にしなくても、心のどこかではそうおもってる。