機械の向こう側の君に
コーヒー
今、仮想空間の中にいる
精神と神経を機械に接続してデータの世界に入る
フルダイブ型のシステムとかそんな風に説明された
細かい話は気が向いた時にするとして
・・・と、いっても話すことはそんなにないか・・・
簡単に説明すると人工的な夢の中にいる感じだといえばいいだろうか?
ログインしたもののすることが見つからない
試験的な利用者として参加していて、バイト料くらいのお金が支給される
暇つぶしでお金が発生している。
ゲームのチュートリアルに似ていて・・・例えば
コーヒーショップによってコーヒーを飲む
データで設定されている「香り」「味」「温度」をどう感じたか、それをレポートすると
ポイントがついてお金に換算される・・・当然、試験運用中だけらしいけど
時間は22時だった
仮想世界でもアルコールを飲めば酔うのだろうか?
そんなことを考えながらコーヒーに口をつける
そういえば
この空間にトイレはない
こちら側で排泄するとリアルの寝ている体で排泄するらしい
基本的にログイン前にトイレに行くように警告が出る
噂ではそういうプレイの目的でおむつをしてログインしている人がいるらしいが
まぁ、それはいいとして
ゲストは1日3時間程度、1回1時間を目安にログインとログオフを繰り返している
夢(仮想空間)と現実の区別がつかなくなるらしい
ホスト側はもう少しながいらしいけど
この時間帯は人が少ない
コーヒーショップにはほとんど人がいない
もしかしたら素敵な出会いでもあるのではないかと期待はするけれど
そんなことはあるわけもない
片づけなくてもいいカップを返却口には運ぶ
「こんばんは」
珍しく声をかけられた
顔を上げると女性がいる店員だろう
店員「少しお話しませんか?」
オブジェクトの人だと思っていたけれど違ったらしい
店員「たまにみかけますよね」
私「はい、あなたは・・・」
店員「ロボットにみえました?」
私「ははは」
きれいな顔をしている
店員「ロボットなんですけどね」
私「・・・は?」
店員「ロボットにどれだけ人に近い接客をさせられるかのテストです」
私「・・・はぁ」
区別はつかないか・・・まぁ、テストだからこんなこともあるか
店員「ごめんなさい、本当は私も人間です」
私「えぇ・・・と」
店員「ごめんなさい、冗談のつもりだったんですがわからないですよね」
私「・・・」
店員「私はホスト側のテストではいっていて・・・」
なるほど・・・人らしい
店員「もう時間もおそいですよね・・・」
私「・・・いつもここで?」
店員「え?あぁ、はい最近はここで、明日も来ますか?」
私「・・・たぶん・・・」
店員「何時ごろ?」
私「たぶん同じくらいの時間か・・・もう少しはやく」
店員「なら待ってますね」
私「・・・また、明日」
店員「はい、また明日・・・おやすみなさい」
私「おやすみなさい」
店を出てログアウトする
自分の部屋のベッドで目を開ける
時計を見ると22:30
トイレに行ってインスタントコーヒーを入れる
匂いと味、温度を感じて安心する
向こう側のコーヒーは少しだけ違和感がある
感覚の調整みたいなものだろうか
コーヒーを飲みながら
すごく期待している自分がいる
もしかしたら本当にロボットかもしれないと思えなくもない
まぁ、どうせ暇つぶしだと思えば・・・
それにしてもコーヒーの何がおいしいのか・・・いまだに理解しないまま飲んでいる。
精神と神経を機械に接続してデータの世界に入る
フルダイブ型のシステムとかそんな風に説明された
細かい話は気が向いた時にするとして
・・・と、いっても話すことはそんなにないか・・・
簡単に説明すると人工的な夢の中にいる感じだといえばいいだろうか?
ログインしたもののすることが見つからない
試験的な利用者として参加していて、バイト料くらいのお金が支給される
暇つぶしでお金が発生している。
ゲームのチュートリアルに似ていて・・・例えば
コーヒーショップによってコーヒーを飲む
データで設定されている「香り」「味」「温度」をどう感じたか、それをレポートすると
ポイントがついてお金に換算される・・・当然、試験運用中だけらしいけど
時間は22時だった
仮想世界でもアルコールを飲めば酔うのだろうか?
そんなことを考えながらコーヒーに口をつける
そういえば
この空間にトイレはない
こちら側で排泄するとリアルの寝ている体で排泄するらしい
基本的にログイン前にトイレに行くように警告が出る
噂ではそういうプレイの目的でおむつをしてログインしている人がいるらしいが
まぁ、それはいいとして
ゲストは1日3時間程度、1回1時間を目安にログインとログオフを繰り返している
夢(仮想空間)と現実の区別がつかなくなるらしい
ホスト側はもう少しながいらしいけど
この時間帯は人が少ない
コーヒーショップにはほとんど人がいない
もしかしたら素敵な出会いでもあるのではないかと期待はするけれど
そんなことはあるわけもない
片づけなくてもいいカップを返却口には運ぶ
「こんばんは」
珍しく声をかけられた
顔を上げると女性がいる店員だろう
店員「少しお話しませんか?」
オブジェクトの人だと思っていたけれど違ったらしい
店員「たまにみかけますよね」
私「はい、あなたは・・・」
店員「ロボットにみえました?」
私「ははは」
きれいな顔をしている
店員「ロボットなんですけどね」
私「・・・は?」
店員「ロボットにどれだけ人に近い接客をさせられるかのテストです」
私「・・・はぁ」
区別はつかないか・・・まぁ、テストだからこんなこともあるか
店員「ごめんなさい、本当は私も人間です」
私「えぇ・・・と」
店員「ごめんなさい、冗談のつもりだったんですがわからないですよね」
私「・・・」
店員「私はホスト側のテストではいっていて・・・」
なるほど・・・人らしい
店員「もう時間もおそいですよね・・・」
私「・・・いつもここで?」
店員「え?あぁ、はい最近はここで、明日も来ますか?」
私「・・・たぶん・・・」
店員「何時ごろ?」
私「たぶん同じくらいの時間か・・・もう少しはやく」
店員「なら待ってますね」
私「・・・また、明日」
店員「はい、また明日・・・おやすみなさい」
私「おやすみなさい」
店を出てログアウトする
自分の部屋のベッドで目を開ける
時計を見ると22:30
トイレに行ってインスタントコーヒーを入れる
匂いと味、温度を感じて安心する
向こう側のコーヒーは少しだけ違和感がある
感覚の調整みたいなものだろうか
コーヒーを飲みながら
すごく期待している自分がいる
もしかしたら本当にロボットかもしれないと思えなくもない
まぁ、どうせ暇つぶしだと思えば・・・
それにしてもコーヒーの何がおいしいのか・・・いまだに理解しないまま飲んでいる。
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