ギター弾きの天使とデュエットを 両想いのその後 甘々番外編
「しばらくはゆっくりできるのか?」
「うん。長めの休みもらったから」
「そうか。じゃあ、しっかり身体を休めなさい。休養も大事だからな」
甘い空気が消えてほっと一安心する。だが、それはほんのひと時の安らぎでしかなかった。
「確かに、そうですね。どこか遠出してもいいと思ってたけど、家でのんびりするのもいいかもな」
「うん。それもいいね」
「チャコといっぱいイチャイチャできるし」
「……もう」
「ははっ、照れてるのか? かわいい」
悠輝は千夜子の頬を一撫でし、額にそっと口づけを落とした。完全にイチャイチャモードに入っている。互いに見つめあって二人の世界に入っているようだ。
さすがにそのまま黙って見ているわけにもいかないから、父はいつものようにたしなめた。
「そういうのは家でやりなさい」
悠輝はなぜそんなことを言われるのかわからないといった顔をしている。この男は何度言っても聞かないのだ。
「君も娘を持てばわかるよ」
「俺とチャコの娘……ふふっ、かわいいだろうな。チャコは男の子と女の子どっちがほしい?」
釘を刺すつもりで言ったはずの言葉はまったく刺さっていない。
「え? うーん、両方?」
「そっか。両方か。じゃあ、頑張んないとな」
その言葉に父は複雑な気持ちになった。孫が生まれるのは大歓迎だが、親の前でそういう匂わせるような発言はやめてほしい。
「仕事も軌道に乗ったし、そろそろ子どものことも真剣に考えようか」
「うん、そうだね」
「ありがとう、チャコ。俺、嬉しい。チャコも望んでくれてるの嬉しいよ」
「私も」
またイチャイチャが始まる。悠輝は千夜子の頬を撫でながら、再び額に口づけを落とした。
「だから! そういうのは家でやりなさい!」
思わず出た大きな声に自分で驚く。目の前の二人も驚いていた。だが、悠輝はすぐに表情を元に戻して、また千夜子を甘く見つめている。
「すみません……じゃあ、今日帰ったらゆっくり話そうか?」
「うん、いいよ」
「ありがとう。……チャコ。俺、子供を作るためだけの触れ合いにはしないから。そのときは、チャコのこと、うんと愛してやるからな」
冷静さを取り戻そうと思って口にしたお茶が変なところに入り、むせかえってしまった。さすがに今の発言は耐えられない。千夜子は相変わらずぽーっとして悠輝を見つめているが、最後の言葉の意味を絶対にわかっていない。額面通りにしか受け取っていないだろう。親の前でとんでもないことを口にする悠輝に文句を言いたくなるが、下手に千夜子に悟られるのも嫌で何も言えない。
結局、自分だけが耐えられなくなって、キッチンにいる妻のもとへすごすごと退散してしまった。
「うん。長めの休みもらったから」
「そうか。じゃあ、しっかり身体を休めなさい。休養も大事だからな」
甘い空気が消えてほっと一安心する。だが、それはほんのひと時の安らぎでしかなかった。
「確かに、そうですね。どこか遠出してもいいと思ってたけど、家でのんびりするのもいいかもな」
「うん。それもいいね」
「チャコといっぱいイチャイチャできるし」
「……もう」
「ははっ、照れてるのか? かわいい」
悠輝は千夜子の頬を一撫でし、額にそっと口づけを落とした。完全にイチャイチャモードに入っている。互いに見つめあって二人の世界に入っているようだ。
さすがにそのまま黙って見ているわけにもいかないから、父はいつものようにたしなめた。
「そういうのは家でやりなさい」
悠輝はなぜそんなことを言われるのかわからないといった顔をしている。この男は何度言っても聞かないのだ。
「君も娘を持てばわかるよ」
「俺とチャコの娘……ふふっ、かわいいだろうな。チャコは男の子と女の子どっちがほしい?」
釘を刺すつもりで言ったはずの言葉はまったく刺さっていない。
「え? うーん、両方?」
「そっか。両方か。じゃあ、頑張んないとな」
その言葉に父は複雑な気持ちになった。孫が生まれるのは大歓迎だが、親の前でそういう匂わせるような発言はやめてほしい。
「仕事も軌道に乗ったし、そろそろ子どものことも真剣に考えようか」
「うん、そうだね」
「ありがとう、チャコ。俺、嬉しい。チャコも望んでくれてるの嬉しいよ」
「私も」
またイチャイチャが始まる。悠輝は千夜子の頬を撫でながら、再び額に口づけを落とした。
「だから! そういうのは家でやりなさい!」
思わず出た大きな声に自分で驚く。目の前の二人も驚いていた。だが、悠輝はすぐに表情を元に戻して、また千夜子を甘く見つめている。
「すみません……じゃあ、今日帰ったらゆっくり話そうか?」
「うん、いいよ」
「ありがとう。……チャコ。俺、子供を作るためだけの触れ合いにはしないから。そのときは、チャコのこと、うんと愛してやるからな」
冷静さを取り戻そうと思って口にしたお茶が変なところに入り、むせかえってしまった。さすがに今の発言は耐えられない。千夜子は相変わらずぽーっとして悠輝を見つめているが、最後の言葉の意味を絶対にわかっていない。額面通りにしか受け取っていないだろう。親の前でとんでもないことを口にする悠輝に文句を言いたくなるが、下手に千夜子に悟られるのも嫌で何も言えない。
結局、自分だけが耐えられなくなって、キッチンにいる妻のもとへすごすごと退散してしまった。