ギター弾きの天使とデュエットを 両想いのその後 甘々番外編

「悠輝」
「うん？」
「ぎゅってして？」
「っ……いいよ」


　ジャンがチャコの背に腕を回してぎゅっと抱きしめてくれる。


「千夜子。平気？」
「……ドキドキする。でも、嬉しい」
「俺も嬉しい。千夜子が頑張ってくれてすげー嬉しい。大好きだよ、千夜子」
「私も大好き」


　ジャンの想いが伝わってきて、チャコの好きも溢れてくる。


「もう少し触れてみてもいいか？」
「いいよ」


　ゆっくり優しく背中を撫でられる。指先が微かに脇腹に触れていて恥ずかしい。でも、同時に心地いい感覚にも包まれる。


「大丈夫か？」
「恥ずかしい。ドキドキする。でも……」
「でも？」
「……うん」
「素直に言ってごらん？」
「……気持ちいい」
「うん。よかった。気持ちよくなってくれて嬉しい。無理に恥ずかしいの消さなくてもいいから。その気持ちいいに集中して？」


　ジャンはそのまま何度も撫でさすってくれた。ただただ優しく触れてくれるジャンにチャコの心はだんだんと解きほぐされていく。そうすると恥ずかしいよりも気持ちいいが大きくなってきて、チャコは自然とジャンに身体を預けられるようになっていた。



　二人はこの日以降、毎日のように触れ合った。触れ合いの時間にジャンがチャコをからかうようなことはなく、ありのまますべてを受け止めてくれるから、チャコは次第に恥ずかしさを超えて、自分をさらけ出せるようになっていった。