ギター弾きの天使とデュエットを 両想いのその後 甘々番外編
「まだ時間あるし、どっか行く?」


 店を出たあと時間を確認すれば十五時半を迎えたところだった。


「うーん、そろそろ帰ろう?」


 チャコのことだから他にもいろいろ行きたいと言ってくるものだと思っていたから、その返答は予想外だった。


「もういいのか? 行きたいとこいろいろあるんだろ?」
「うん。でも、今日はもう帰りたいかな。あのね、ジャンのギターが聴きたくなっちゃった。お家帰ったらギター弾いてくれる?」


 チャコは少し不安そうな顔でジャンを見つめている。


(本当にこの子は俺をどうしたいんだよ……心臓が痛ぇ)


 真っ直ぐな気持ちをくれるチャコにジャンの気持ちは高まるばかりだ。一生手放したくないと思う。結婚できる日が待ち遠しくてたまらない。


「当たり前。チャコのためなら、いつだって弾いてやるよ。じゃあ、帰るか」


 ジャンがそう言えば、チャコは本当に嬉しそうな表情をしている。心から喜んでくれているのがわかる。そんなチャコに、家に帰ったら彼女の満足いくまでギターを弾いてやろうと誓うジャンだった。
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