呪縛の魔法少女戦士
その日の帰り道。
希空くんと海翔くんは、朝陽先輩と今後の調査をしたいと早めに帰り、愛花は他の友達とカラオケに行った。
あたしはその日、係の仕事やなんやかんやで遅くなってしまった。
辺りがとても暗かった。

「なぁ、俺たちと一緒にさ今から遊ばねぇ?」
急に肩に手をかけられた。
希空の時とは違って、背中が震えるように冷たくて、恐怖に襲われた。
やばい、、1人の時に知らない男たちに絡まれた。
希空くんは、多分今頃、海翔くんと朝陽先輩と一緒だし、どうしよ。
「ちょっと遊ぶだけだから、いいだろ。」
そう言って、男はあたしの腕にナイフを刺してきた。
「きゃー!!」
痛い、しびれるように痛い。
赤い血が手をつたって、コンクリートに落ちていく。
「あーぁ、血が出ちゃった。
仕方がないから、俺が舐めてやるよ。」
嫌だよ、やめて!
なんとか足蹴りでスネを狙った。
3人の男は、痛みでしゃがみ込んだ。
「てめぇ、許さねぇぞ!」
そいつの手にはもちろんさっきのナイフ。
今度こそ殺される、、誰かぁ!

「おいおい、刃物で女の子を傷つけるとは、いい度胸してるじゃねぇか。」
そこには、海島先輩がいた。
こうしてみると、ファンクラブが出来るわけもわかる気がする。
「おめぇは、誰だ。」
「僕は、そいつの彼氏だよ。」
「か、、彼氏!?」
「やってやろうじゃねぇか。」
海島先輩は、頭がいいだけじゃなく、運動神経もめちゃくちゃいい。
見事なアクロバティック、、まるでいつも助けてくれるヒーローみたい。
「やるじゃねぇか。」
「早く僕の彼女を返してよ。」
「ふん、わかったよ。
もうこいつにようなんかねぇ、とっとと海にでも捨てちまいな。」
え?は?
「くそっ、しまった。」
急に知らない男にお姫様抱っこされた。
抵抗するために足をジタバタしたが、効かない。
「嫌だ!離して!」
「さらばだ、お嬢ちゃん。」
そしてあたしは橋から川に捨てられた。
「きゃー!!!!」
「ダイヤモンドクイーン!」
え?今なんて言った?
ダイヤモンドクイーン?
なんで、海島先輩は、なんでそのことを知ってるんですか?
あたしがダイヤモンドの守護者ってことを、、そして次期クイーンだってことも、、。
気のせいだったかな、、、?
気が遠くなっていく、、先輩、あたしに構わず、、、逃げて、。

くそ、、クイーンを守れなかった。
僕は、川に飛び込みクイーンを探した。
「あいつ、馬鹿じゃないの?
自分から飛び込んで行ったぞ?」
そう言って、3人組は消えていった。

「すまない、ダイヤモンドクイーン。
僕は、貴方様の仇を打てなかった。」
彼女の血で居場所は、すぐに特定出来た。
すぐに岸辺に上がった。
「はぁ、はぁ、、、クイーン!
本当に申し訳ない、、目を覚ましてくれ!」
本当は、時間を稼いでタイミングを狙っていたが、どうやらクイーンへの殺意は思ったより高かった。
クイーンは、完全に目を覚まさないが、意識はあるようだ。
なんとか無事で良かった。
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