darkness
かんなは九州に引っ越してから最初は方言の違いもあり、打ち解けるのに困っていたのだが
今はちゃんと友達もできて、野球部の先輩に片思い中らしい。
「すごくかっこいいんだよ。エースなの!」
嬉しそうに話すかんなは、ますます女の子らしく見えた。
私の大事な“友達”
心からそう言える2人
かんなと弥生
2人も新しい生活の中で新しい道を進み始めてるんだね。
なんだか少し寂しかった。
離れていってしまうという不安ではない。
だけど
自分だけ笑って話せることがないことに
ただ寂しさを感じた。
「あさ美はどうなの?」
「学校、楽しい?」
2人に聞かれて、
私は本当のことを言えなかった。
2人を信用してないわけじゃない。
ただ、久々に3人で過ごす楽しい時間に
イジメられている話を持ち込みたくない。
私は
『まあまあかな。』
と、笑って答えた。