darkness
その時、
陸の背中
絵里たちの怒った表情
周りの視線
全てを感じながら
私はまるで何かの映像を客観的に見ているような気持ちになった。
母が死んだ時と同じ
放心状態に近い感覚。
私の中で何かが小さな音を立てて、プツリと切れたんだ。
私は導かれるように
何かを求めるように
教室を出た。
「お……おい、あさ美!?」
後ろから陸の声が聞こえたけれど
私の身体はとにかく迷路の出口を探していて
屋上へ向かっていた。
私は思う。
この暗闇に終わりなどないんだ、と。