darkness
ガラガラ。
「あさ美ちゃん!!」
扉の向こうから現れたのは綾子おばさん。
「今…目、覚ましたんです。」
陸が言うとおばさんは涙目でこっちを見た。
「あさ美ちゃん………どうして言わなかったの!どうして…………」
おばさんは私の手を握りしめ、布団に顔を埋めて泣いた。
私が陸の方を見ると、陸が赤くなった目をそらし下を向いたので
私は陸がおばさんにイジメのことを話したのだと解釈した。
『……ごめんね…おばさん………陸……』
2人が私の顔を見て、泣きながら微笑んだ。
酸素マスクの中で振り絞り出した声は2人にちゃんと届いたのだと安心した。