darkness
今でも絵里のことは好きにはなれない。
だって絵里は私をイジメてきたから。
お金持ちで
可愛くてスタイルも良い
少し愛想を振りまけば
たちまち周りは絵里の元へ集まる。
友達になりたい
絵里に認められたい
そんな無駄な欲望を抱いて自分たちとは違う大きな世界に羽ばたく絵里に憧れる。
ずっと思ってた。
世の中は不公平だと。
私は絵里が持っているようなものは何も手にしていない。
絵里のように自分の立場を使って周りを操れるほど余裕を感じたことなど一度もないし
むしろ私には欲しくても手の届かないものばかりだ。
絵里なんか
絵里なんか
ってずっと思ってたのに
絵里が一人で席に座っている姿を見ると
複雑な気持ちになった。
素直に“ざまぁみろ”
と嘲笑うことができたらどんなに楽だろうか。