darkness


『絵里、今さら信じないだろうけどね…小学4年のあの時、絵里のマフラーを盗もうとしたのは私じゃない。よっちゃんだよ。』


私が言うと絵里はさほど驚いた様子を見せはしなかった。



『大人になるにつれて、絵里も気づいてたんでしょ?でも私はイジメるには最適の人間だった。
味方も仲間もいない。高校で再会してからは両親の事件のこともあったし、良い遊び道具だった。
そうでしょう?』





私は整った絵里の綺麗な顔をずっと見ていることに戸惑った。

それは悲しいくらい、あまりにも可愛い顔立ちだから。



その性格にはもったいないくらい。





絵里は我慢しながらも、抑えきれずに涙をこぼし始めた。





ずっと寂しかったに違いない。
生まれて初めて味わった孤独。

私が生まれてからずっと味わってきた感情。






裕平くんとの別れも

緩く甘い生活に浸ってきた絵里には耐えられない辛さだろう。



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