darkness


「…私は…っ……今…アンタが…死ぬほど羨ましい…っ。」



絵里は泣きながら言った。



『私が…羨ましい?』



私は今、もうイジメられていた時ほどの孤独は感じていない。

でもあの4人とはずっと一緒にいるわけではないし

一人に変わりはないのだ。



なのに、私が羨ましい…?



「あさ美……今の…アンタは……っ………一人でいても…私と違う。イキイキしてる……。」







私は確かに一人だけれど

陸もいるし

居場所もあるし

毎日生きていることに意味を持ってる。



怖いものはもう何もない。


絵里みたいに裕福な生活はしたことがないけれど


私の心には母がいる。


私は変わったのだ。





やっと、公平な日々にたどり着いた。



絵里はそんな私と交換されるように

強がりな態度に何かに怯えているような不安を隠していた。





< 179 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop