darkness
私は泣いている絵里に伝えた。
『絵里……孤独はね、自分の手で乗り越えるしかないんだよ。そして自分で答えを探すの…。』
今の私のように。
裕平くんのように。
一度何かに頼ったりせずに頑張ってみることを試みるんだ。
きっとどこかに
“公平”“普通”はある。
『私は、絵里が自分の手で…自分の力で何かを掴む人間になるまで………アンタを許さないからね。』
そう言うと絵里は頷き、その細い脚で精一杯歩きながら帰っていった。
どうして世の中は
不公平なのだろう。
公平など、
最初から誰にでもあるものではない。
私はそう思うのだ。
今、自分でそれを見つけ
充実を手に入れた私は
人を許すことの温度を知った。