darkness
冷たい向かい風が吹いて、3人でくっついて歩いていると
後ろから勢いよく足音が迫ってきた。
「わっ!!」
驚かそうと私の背中を叩いたのは、もちろん陸。
『もう!ただでさえ寒くて固まりそうなのにビックリさせないで!』
私は陸をギロっと睨んで言った。
慌てる陸を見て、その隣でかんなと弥生はクスクスと笑う。
「そんな怒んなよ〜。じゃ、俺今から塾あるから。また明日な!」
陸はこの向かい風に反抗するような速さで走って行った。
「面白いね〜。あさ美の彼氏。」
陸の犬のような後ろ姿を見て弥生が言う。
『えっ!?やめてよ、彼氏なんかじゃないよ。』
私の言葉に2人は
「そうなの!?」
と、声を揃えて驚いた。
「あさ美が仲良くしてる男の子って中野くんだけだから、付き合ってるのかと思ってた〜。」
そう言うかんなに
『ただの幼なじみだよ。』
と返した。