darkness
それからよく3人で喫茶店へ寄ることが多くなった。
私たちは卒業までの時間を惜しむように色んな話をして過ごした。
おばさんは、私が初めて連れてきた女友達に
すごく喜んでくれているようだった。
裕平くんにも変わらず勉強を教えてもらい
とうとう
卒業式を迎えた。
『卒業式の次の日に入試なんて、なんか気抜けないなあ。』
カイロで手を暖めながら、
卒業式が始まるのを待つ。
「そっか。あさ美明日だもんね。頑張ってね!」
かんなに応援をもらい、私は深く頷く。
かんなと弥生
この2人の進学先は私が受けるA高と入試の方式が違うため、
もう入試が終わっていた。
かんなは春休みのうちに九州へ引っ越してしまう。
白い息を吐き、弥生が静かな声で言う。
「今日で最後かあ。」
そう、今日で私の中学生活は終わり。
ほぼ不登校だった私には
短い時間しか中学生活と言えるものが残ってないけど、
楽しかった。