darkness
お母さん。
ちゃんと見てくれている?
私ね、変わったんだよ。
好きな人もできた。
大事な友達もできた。
私、この短い思い出を心の底から楽しかったと思えるよ。
お母さんがいてくれたら、なんて言ってくれるかな?
褒めてくれる?
私、明日の入試頑張るからね。
卒業式の後、かんなと弥生と泣いて抱き合いながらたくさん写真を撮った。
「絶対また遊びにくるからね。」
と、かんなは顔を真っ赤にしながら言う。
弥生も強がった顔を見せながらも、笑い泣きしていた。
陸とも写真を撮った。
今まで私を支えてくれた人たち。
卒業式に来てくれていた綾子おばさんとも写真を撮った。
おばさんは私の、もう一人の母だ。
まだまだ寒さが残る3月の空は
風の冷たさからは考えられないほど晴れ渡っていて
まるで絵の具でグラデーションをしたような綺麗な青だった。
母がいるような気がして、
空にもシャッターをきった。