darkness



本当だったら良かったのに…………



涙はまだ止まることなく、私は泣きながらボーッと天井を見つめていた。




母が死んだことが私の思い込み…か………。


それほどまでに私がノイローゼになったとしても


あるわけがない。

だって私は見たんだ、母との別れの全てを。




殺されていた現場も

棺の中の冷たい母も

焼かれて骨になった母も。





そんなの……


私がいくら思い込んでも鮮明に想像できるわけがない。





だけど、夢で母に会えて良かった。




もしかしたら母は

ずっと後悔していた私に気遣って会いに来てくれたのかもしれない。






母に何もしてあげられなかった、母に助けてもらってばかりだった、

そんな自分をずっと心の中で責めていた。





母に一言、ごめんねが言いたくて


ずっと心残りだったんだ。






言えた。


言えた。






そして母は

「いいのよ。」って笑って許してくれたじゃないか。



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