浅蘇芳─asakisuo─
「学園祭でチセに会った時にチラッと紹介……? したけど、あの人が覚えてない小学校の同級生の子でね」
「うんうん、元気です! って感じの男の人だった。聞いてた以上の体育会系って感じで、私たちとテンション違うよね」
ビックリしたって笑うチセに、私もコクリと頷いた。
学園祭で、私たちやたら目で合図し合ってたよね。きっと言いたいことは、通じ合っていたと思う。
「そう、正直最初は話しづらかったけど……今は会うと普通に話せてる。でもやっぱり覚えてないんだよ、あの人ホントにいたのかなって……いたんだろうけど」
「そっかぁ……仲良くなれそうなの? 隣に住んでるんでしょ」