浅蘇芳─asakisuo─
「どうかな。まぁ彼女がいるらしいから、たまに偶然会った時にちょっと話すくらいの……仲良さにはなれるのかな」
「彼女ね、いそういそう。もちろんいますって顔してる」
チセの言葉にクスクス笑い、私は再び頷いた。言いたいこと、すごく分かる。当たり前のようにモテて、当たり前のように彼女がいそうな人である。事実、いたんだし。
「でも、どうしようもないことが起こった時は……すぐ隣にいるってちょっと安心だよね。そんな機会も滅多にないんだろうけどさ」
「まぁ……何かあった時はね。あ、チセ、クレープすごく美味しかったよ。サービスの苺もたっぷりで嬉しくなっちゃった」
「ハハ、良かった。私に会いに来たって言ってくれるなんて、そりゃあサービスするよ」