浅蘇芳─asakisuo─





「私も朝都の首がコクッとなってるの、後ろから見えてたけど?」

 レディーススーツを身に着けたアキホも、呆れたようにふっと笑う。

 タスクと同じような髪色で、肩につく毛先を緩くカールしている。

 高校で出会ったアキホは三年間同じクラスで、俺はアキホと一年ぐらい前から付き合っていた。なんだかんだ、上手くいっているのでは……と感じている。

 高校卒業後すぐに彼らと顔を合わせた時、二人の大きな変化には思わず驚いてしまった。アキホも可愛い……というか、大人っぽくなったと思う。

「いやいや、あなたどこに座ってたんよ。真後ろか? 見えるわけがない」

「それが不思議と見えるんだなー」



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