浅蘇芳─asakisuo─
『エピローグ』
──俺は、よく笑う。
そして、隣であかりも笑っている。
二人が出会い日が経てば経つ程、あかりの過去も遠くなり、年月を共にするにつれて絆が更に深まっていった。
「ねぇ朝都君、今日夕飯何にしよう」
今じゃ下の名前で呼ぶあかりは、お米を研ぎながら振り返り、様子を見ていた俺に可愛い笑顔で首を傾げた。
「もーいっつも背中見てる」
「だってさ、見てたいんだよ。あかりが愛おしいんだよ」
にっこり笑顔で近付くと、あかりの頭の上に顎を置いて笑いながら怒られる。
「ここでジャンプしたら……」
「ダメダメッごめんなさい手伝います」
心あたたまる日々を二人で築きながら、俺はいつも嬉しくて楽しくて、あははって笑いながら、ずっとあかりと手を繋いでいた。
─了─