地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました
驚く私を見透かすように、西海くんはうっすらと笑った。
「眼鏡がないのにすぐに出て行こうとしただろ。普通、目が悪いやつは、まず眼鏡を探すのに」
鋭い観察になにも言い訳できない。
そう。私は本当は、目なんか悪くない。
わざと度が入っていない眼鏡をかけているのは、別に理由があるためで……。
「だせぇ伊達眼鏡に黒髪のばして、なんでいっつも極端なくらい地味にしてるんだろって不思議に思ってた。――でも、今やっと解かった」
西海くんは握っていた私の手をくいっと引き寄せた。
綺麗な顔に、ゾクリとするような艶めいた微笑を浮かべて、低い声で言う。
「眼鏡をかけているほんとうの理由、代わりに俺が言ってやろうか」
「……」
「自分の身を守るためだろ? 眼鏡をはずすと――その瞳をさらすと、どうしてか危険な目に遭うことが多かったから」
私は言葉を失う。
どうして、わかったの?
家族すら知らない、私だけの悩みだったのに――