地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました
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「まって、どこに、行くの……?」
「保健室。絆創膏、貼った方がいい。じゃないと今日は無事に帰れないと思うよ」
私の手を引いて物品庫から出ると、西海くんそう言って、すたすたと歩いて行く。
まだ生徒がたくさん残っている放課後。
私たちに、周りから視線が集まってくる。
私みたいのが西海くんと手を繋いでいるなんて――というハラハラした気持ちと、物品庫で起きたことで、私の頭はパニック状態だった。
『ヴァンパイアの花嫁』ってなに?
逃がさないってどういうこと?
けれども西海くんは、そんな私をよそに堂々とした様子で保健室まで歩いて行く。
保健室には先生はいなかった。