地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました
私の両親はひどく心配して、外出する時は片時も私のそばから離れないようにしていた。
そうしていくうちに自然と家族で外出することも無くなっていって……。
だから私には、家族で外出したという思い出があまりない。
加えて、友達と外で遊ぶということも控えさせられていたから、次第に友達付き合いも減っていった。
私が地味で人付き合いが苦手な性格になってしまったのは、そういった経緯もあったと思う。
幼いからだと思っていた私のこの不可解な現象は、成長するにしたがって治まるどころか増えていった。
学校生活もままならないのでは、と思っていたある日、近所に住んでいたある人からのアドバイスに従った結果、現象が嘘のように起こらなくなった。
それが、こうして伊達眼鏡をかけて、長い髪を下ろしていることだった。
「おまえは特殊な体質をしているんだ。俺たちは、おまえみたいな女性のことを『ヴァンパイアの花嫁』と呼んでいる」
「『ヴァンパイアの花嫁』……」
「『ヴァンパイアの花嫁』の特殊な体質。それはヴァンパイアにとって稀少で高良質な血を持っているということ。そしてそれ故にヴァンパイアを盲目的に惹きつける瞳の輝きと匂いを発することだ」
「……」
「知られている通り、ヴァンパイアは血を求める。おまえを襲ってきたのは全部ヴァンパイア。厳密には混血ヴァンパイアだ」