地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました

とても、信じられない。

けど、妙な納得感はあった。

私を襲ってきた人はすべて、私を傷つけようとした。

私が血を流すと異常な興奮を見せた。

突然噛みつかれそうになった経験をも思い返すと、西海くんの言葉は、すとんと胸に落ちるものがあった。


じゃあ……、西海くんがヴァンパイアだって言葉も信じるとすると、どうして彼は私を襲ってこないのだろう?

思わずじっと西海くんを見つめると、私の疑問を察したかのように、彼はいつもの明るい笑顔を浮かべた。


「おまえを襲ったのは混血ヴァンパイアと呼ばれる奴らで、人間の血が混じっているから能力が不安定なんだ。だからおまえの特殊な体質を前に血を求める本能に負けてしまって襲ってきた。でも俺は純血ヴァンパイアだから、高い能力でもって本能を制御することができる。――でも」


言いかけると、西海くんは私に近づいてきた。


「『ヴァンパイアの花嫁』の強烈な魅惑からは、さすがの純血でも逃れられない。本能の昂りを抑えられなくて、その子が欲しくてたまらなくなる」


最後は囁くように言うと、西海くんは私の眼鏡をはずし、髪を束ねてうなじが見えるように片方の肩に流した。


「もったいないよな。こんなにかわいいのに」
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