地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました
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私と慧くんに、特別な出会いはなかった。
私たちは同じクラスメートだった。
でも、慧くんは校内の有名人。
日本人離れした綺麗な顔をしていて、明るくて、かっこよくて、おまけにやさしくて、誰からも慕われる人気者だった。
対して私はただの女子高生。
平凡で、地味で、友達もいない空気のような存在だった。
そんな私たちが繋がるきっかけになったのは、なんの変哲もないある日のことだった。
※
その日の最後の授業は特別授業。
掃除当番にあたっていた私たちが、最後の片づけを言い渡された。
掃除なんて真面目にしたくない――とみんなは思っているみたい。
他の当番の人たちが、おしゃべりしたりはしゃいだりして、いい加減にやっているなかで、私だけが黙々と掃除を続けていた。
私だって、みんなの気持ちは解かる。
早く帰りたい。
この息苦しい場所から早く逃れて、一人でほっとできる場所に帰りたい。
でもサボる勇気もなければ一緒にはしゃぐ友達もいない。
だから、こうして早く終わるようやっているだけだった。