地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました
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その日の放課後。
私は慧くんの家の前に来ていた。
この地域を中心に大きな影響力を持つ会社を経営している慧くんの家族が住む家は、私の家の数倍はあるんじゃないだろうかという敷地を持つ豪邸だった。
洋風で趣のある造りをしたそれは、西洋のお城のようだ。
まるで貴族の屋敷を前にした村娘のような心地で、私は大きな鉄門についているインターホンを押した。
お手伝いさんかな、と思わせる丁寧な言葉遣いの女性に用件を訊かれ、慧くんに会いに来たことを告げる。
しばらくすると、慧くんが焦った様子で家から出てきた。