地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました
私は制服のリボンを解いて、胸元のボタンをはずした。
「吸って、いいよ」
慧くんのヴァンパイアの血が昂っている。
そのことに、なんとなく気づいていた。
公園で見た慧くんのいつもとちがう姿。
あれは、ヴァンパイアの血が人間としての理性を超えてしまった時のものなんだ。
慧くんの苦しみ。
それはきっとヴァンパイアの本能をセーブする辛さ。
私は慧くんだけの花嫁だ。
だったら、その苦しみを癒してあげたい。
「そんなことするな。どういうことになるか、解かってやってるのか?」
「うん……」
「死ぬってことなんだぞ!?」
「それでもいいよ」
だって、慧くんは私を生まれ変わらせてくれた。
だから、慧くんに命を捧げたって、かまいやしないから。
「私は慧くんと生きるって決めたんだもの」
そう言って笑った私を、慧くんは包むように抱き締めた。