地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました
「誕生月の月は、ヴァンパイアの血をもっとも活性化させる力を持っているんだ。どんなに高い能力でもって抑えていても、この期間はヴァンパイアとしての本能が勝ってしまう。そんな時に、花嫁である人間がそばにいたら、どうなるか分かるだろ」
「……うん」
「だから会うのを避けようとしていたんだ。黙っていたのは、おまえが怖がると思ったから――いや」
慧くんは苦笑いを浮かべながら、首を横に振った。
「おまえが俺と付き合うのをためらってしまうかも、って、俺から離れていってしまうかもって考えたら、怖くなったからなんだ」
「離れないよ。だって言ったじゃない、私は慧くんの花嫁……ずっと一緒にいるって」
慧くんは、ぎゅうと私の手を握った。
「そうだよな。ごめんな……。そう言ってくれた時、ものすごくうれしかった」
そう言って笑った顔は、少し疲れているように見えた。
美菜ちゃんの言葉を思い出した。
『純血にとって人間の中で暮らすってことは、本当はすごく大変なことなのかもしれないね』