地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました
そう。
まわりの人とちがう。
そのことで生きづらさを感じているのはきっと、人間よりも高い能力を持つヴァンパイアの慧くんたちだって同じ。
本当の自分を隠し、本当の自分と戦い、それでも人間を慕って、一緒に生きたいと慧くんは頑張っている。
そんな一生懸命生きている慧くんを、私は支えていきたい、守っていきたい。
ずっと、ずっと、その隣で。
慧くんの手を、私は自分の頬にあてた。
「そうだよ。私はずっと慧くんと一緒にいる。私じゃ大した力にはなれないかもしれない。でも、ひとりぼっちにはさせないから」
「ああ。俺もずっとおまえと一緒にいたい。世界中の誰よりも、新奈のことが大切だから」
そうして、私たちは互いに引き寄せられるようにキスをした。
夜が深まり、月明りが私たちを煌々と照らしてくれている。
けれども慧くんのキスは、いつものようにやさしくて、とても甘かった。