地味な私ですが、お日様みたいなヴァンパイアの花嫁になりました

「だって、新奈が未経験のことだし、俺は今すぐ始めたくても、新奈の気持ちがあるし」


ん? じゃあ私次第、ってこと?


「なら、すぐにでも始めようよ!」

「……いいの?」

「いいよ! だってそうすれば、慧くんの苦しみがやわらぐんでしょう?」

「まぁね……」


なんだか、様子がおかしい慧くんに私は首をかしげる。

そんな私に、慧くんは意味ありげにくすりと笑った。


「純血と人間のカップルは、なにも俺たちだけじゃないだろ。今も過去にも、たくさんいる」

「そうだよね。混血ヴァンパイアは純血と人間の両親から生まれたのが始まりだし」


うなずいて私ははっとなる。

そうか。その人たちはその方法を使ったから、一緒になることができたんだ。


いったい、どんなことをしたんだろう?
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