じれ恋
「五十嵐さん大丈夫?何か手伝おうか?」
定時の17:30を過ぎてもまだパソコンをカタカタさせている私に先輩が声をかけてくれた。
「ありがとうございます!でももうすぐ終わりそうなのでこれだけサクッとやっちゃいます!」
私は大学を卒業後、悩んだ末に出版社に就職を決めた。
大学で専攻した考古学はやはりとても楽しくて、とても充実した学生生活を送ることができたけれど、考古学で食べていくのはかなり難しい。
その道を極めるのなら、大学院に進学して博士になる必要があるけれど、なかなか狭き門なのだ。
正直、そこまでする熱意はなかったから、必然的に就職ルートになる。
私は何かものづくりに関わりたかったから、出版社を選んだ。
幸い、希望していた図鑑の部署に配属されて、今は世界遺産の本を絶賛製作中だ。
今やっている作業は、いつもなら明日に回してもいい仕事なんだけれど、今回はその〝明日〟がないから、なんとか終わらせて帰りたい。
なぜなら、明日は有給をいただいているから。
そう、ついに紺炉が帰国するのだ!
定時の17:30を過ぎてもまだパソコンをカタカタさせている私に先輩が声をかけてくれた。
「ありがとうございます!でももうすぐ終わりそうなのでこれだけサクッとやっちゃいます!」
私は大学を卒業後、悩んだ末に出版社に就職を決めた。
大学で専攻した考古学はやはりとても楽しくて、とても充実した学生生活を送ることができたけれど、考古学で食べていくのはかなり難しい。
その道を極めるのなら、大学院に進学して博士になる必要があるけれど、なかなか狭き門なのだ。
正直、そこまでする熱意はなかったから、必然的に就職ルートになる。
私は何かものづくりに関わりたかったから、出版社を選んだ。
幸い、希望していた図鑑の部署に配属されて、今は世界遺産の本を絶賛製作中だ。
今やっている作業は、いつもなら明日に回してもいい仕事なんだけれど、今回はその〝明日〟がないから、なんとか終わらせて帰りたい。
なぜなら、明日は有給をいただいているから。
そう、ついに紺炉が帰国するのだ!