じれ恋




「ただいまー!みんなお土産買ってきたよー!」


翌朝、お嬢の声を聞いて、家にいたやつが集まってきた。


お嬢は昨日買った土産を1人ずつに配っていく。


要さんは少し離れたところで柱に寄りかかりながらその様子を見つめていた。


目を合わせたら終わりだと思って、俺の方を見る刺すような視線は無視した。


「お嬢ありがとうございます!」
「大事にしますね」


各々が土産で盛り上がっている中、お嬢は要さんの方へ向かった。


「・・・お嬢、この間はすみません。言いすぎました」


「うん、私もごめん……。保護者面とか思ってないから!コレ、いつもありがとうの気持ち!」


お嬢はそう言ってキーホルダーをを差し出した。


お嬢と色違いのものだ。


要さんは嬉しそうに早速鍵につけている。


「あれぇ〜?要さん目のクマすごいっすよ……?昨日眠れなかったんですかぁ?」


「お前なぁ!」


ふざけながらからかうと、要さんが拳で俺の頭をぐりぐりしてきた。


これを喜んでしまうのだから、俺の要さん好きもなかなか重症かもしれない。
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