じれ恋



後日、クラスの子と買いに行ったメイド服を紺炉に見せるとやっぱり「スカートが短い!」と難癖をつけてきて、まつり縫いの部分をおろそうとしてきた。


私は衣装を持ってその場を逃げ出したけれど、あっさり紺炉に捕まりそのまま私の部屋に連行される。


「あっち向いてるんで、とりあえずそれ着てみてください」


一瞬、私のメイド姿が見たいだけなんじゃないのかと思ったりもしたけど、さすがにそれはないか。


着丈を見てから長さを調節するらしい。


実際、スカート丈はかなり短めだった。


着なれないせいか太もものあたりがスースーする。


「ほらやっぱり短すぎですよ」


こちらを振り返った紺炉は不機嫌そうに言った。


勝手に私のベッドに腰掛けて、なんだか偉そうに「こっちに来い」と手で合図してくる。


紺炉の目の前まで来ると、彼は私のスカートの裾をヒラヒラさせて遊んでいる。


「……なんかエッチなこと考えてるでしょ?」


「どうしてそう思うんですか?」


どの口がそれを言うか!どこからどう見たって何か悪巧みしている顔にしか見えない。


紺炉は私の太ももの裏で手を組むようにして私を引き寄せる。


バランスを崩しそうになって私は紺炉の肩に手を置いた。


太ももに触れた紺炉の手はちょっぴり冷たかった。


「いつもは紺炉が面倒見てくれてるから、今日は私が紺炉のお世話してあげるね」


「なんかそれ別の意味に聞こえるんですけど、一体どんなお世話をしてくれるんです?」


紺炉はまたいつもの悪〜い顔をしていた。


全くそういう意味で言ったんじゃないのに。


「もうッ!ほんとヘンタイ!」


紺炉は私のグーパンをいとも簡単に自分の大きな手で受け止めながら楽しそうに笑っていた。
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