じれ恋
*
『やっぱりアンタの方がお店の勝手も分かってるし、今日からまたお店来てもらえる?国光さんには許可もらったから!』
クリスマスを数日後に控えたある日、ARIAのママ・美鈴から連絡が入った。
お嬢のことはさておき、ARIAの仕事から外されたことは腑に落ちていなかった。
後輩育成のためならむしろ俺が一緒に行くべきだったし、こんなあっさり戻されるのも謎だ。
悶々として家の中を歩いていると、すれ違うたびに「おめでとうございます」と声をかけられた。
カレンダーを見て、ようやく今日が自分の誕生日であることに気がつく。
34歳——。
この家に来て17年も経ってしまったらしい。
はしゃぐ年齢はとっくに過ぎたが、お嬢からのプレゼントは毎年密かな楽しみになっていた。
もちろん物でなくとも、「おめでとう」の一言で十分。
しかしお嬢は既に朝から出かけているようで部屋は空だった。
どこへ行っているのか、いつ帰ってくるのかも分からない。
俺はARIAに向かう夜までボーッと過ごした。
『やっぱりアンタの方がお店の勝手も分かってるし、今日からまたお店来てもらえる?国光さんには許可もらったから!』
クリスマスを数日後に控えたある日、ARIAのママ・美鈴から連絡が入った。
お嬢のことはさておき、ARIAの仕事から外されたことは腑に落ちていなかった。
後輩育成のためならむしろ俺が一緒に行くべきだったし、こんなあっさり戻されるのも謎だ。
悶々として家の中を歩いていると、すれ違うたびに「おめでとうございます」と声をかけられた。
カレンダーを見て、ようやく今日が自分の誕生日であることに気がつく。
34歳——。
この家に来て17年も経ってしまったらしい。
はしゃぐ年齢はとっくに過ぎたが、お嬢からのプレゼントは毎年密かな楽しみになっていた。
もちろん物でなくとも、「おめでとう」の一言で十分。
しかしお嬢は既に朝から出かけているようで部屋は空だった。
どこへ行っているのか、いつ帰ってくるのかも分からない。
俺はARIAに向かう夜までボーッと過ごした。