美人爆命!?異世界に行ってもやっぱりモテてます。
わぁ、なんだか王女様にでもなったような気分だ。
中はそんなに広くないけど、椅子もふかふかしてるし、上等そうな生地を使ってある。
夢なのに、細かいところまでよくわかるね。



馬車に揺られているうちに、私は眠くなってきて…
蹄の音と鈴の音を子守歌代わりに、ついうとうとしてしまっていた。



(……ん?)



ふと目が覚めて、私は窓の外を見た。
見ているうちに、白い霧が少しずつ晴れていって…



(わぁ!)



目の前には広大な畑が広がっていた。
さっきは夜だったのに、今は朝になっている。
自然溢れる長閑な風景に見とれていると、あぜ道を歩いてる中年の女性を発見した。
その人は、丈の長い地味なドレスを着ていた。
ざっくり言うと昔のヨーロッパ風の服装かな?
そのうち、ぽつりぽつりと家が建ってるのが見えて来て、住宅地のような風景に変わった。
それを抜けてしばらく行くと、そこには白亜の城がそびえていた。
馬車は城の前で止まった。



そうか!
きっと、この夢は、私が王女様にでもなった夢なんだね。
だったら、着ているものもそれっぽいものにしてくれたら良いのに、今朝着て出た普段着のままだ。



「お疲れ様でした。到着致しました。」

「あ、ど、どうも。」

御者が扉を開けてくれた。
私は、また素直に馬車を降りた。



(わぁ……)



見上げたお城は、高い塔が連なり、繊細な彫刻が施されたとても綺麗なお城だった。
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