可愛いわたしの幼なじみ〜再会した彼は、見た目に反して一途で甘い〜
第9話
○(引き続き)神社の境内(夜10時前)
月が二人がいる場所を照らしている。
一樹「落ち着いた?」
実里が泣いている間ただ黙って隣にいてくれた一樹。
一樹「・・・って前もこんなことあったよな」
そう言ってははっと笑う。
実里「ずび(鼻をすする音)・・・。ありがとう、もう大丈夫」
そう言って涙を拭う実里。
(なんか私、いっくんの前で泣いてばっかりだな)
(普段こんなに涙腺緩くないのに・・・)
一樹がじっと自分のことを見つめていることに気づく実里。
そして、一樹が口を開く。
一樹「みさとが、俺と離れた後のこと話したがらないの気づいてた。
・・・もしかして、さっきの奴らが原因?」
実里「・・・」
一樹「お願い、話して。
俺、みさとに秘密にされるのさみしい」
そう言って本当にさみしそうな表情をする。
実里(・・・っまたそんな顔)
一樹の切ない表情に心臓がぎゅっとなる実里。
実里「あのね、いっくんがっかりするかもしれないけど――・・・」
意を決して話し始める実里。
*回想 美里と一樹が小学4年生にあがったころ
実里モノローグ
あれは、いっくんと出会って3年ほど経った頃だった。
出会った頃と同じように、学校終わりにそのまま家に帰らず
いっくんが待つ小さな公園へ向かうことは、私の大切な日課になっていた。
毎日毎日、いっくんとその日に学校であったことを報告し合ったり、
公園で王子様とお姫様になって遊んだり、
公園の奥に続く鬱蒼とした森をふたりで探検したり、
学校の図書室でお気に入りの絵本を見つければ、それを借りて
いっくんに教えてあげるのが楽しみだった。
本当に楽しくて、毎日いっくんと遊ぶために
学校に行ってたくらいだった。
毎日家に帰るのが夕方遅くになってからだったから、
家族にはものごく心配されたけど、聞く耳なんてもっていなかった。
だけど、日常の変化は突然訪れた。
あの公園は、通っていた小学校から離れていたし、人通りの少ない場所にあったから、
思いもよらなかったけど、
クラスの男子が偶然、私がいっくんとふたりで遊んでいるのを見かけたみたいで・・・。
ある日登校したら、
机に太い黒いマジックで大きく『ビッチ』って落書きされていた。
クラスのリーダー的な存在の男子が実里のところにやって来て、
「これお前のことだろ?お前みたいな奴のこと『ビッチ』って言うんだって!!」
教室中に響き渡る大きな声でそう叫んでげらげら笑ってた。
するとその男子を取り巻いていたほかのクラスメイトたちもつられてげらげら笑った。
次の日から、クラスメイトの男子たちから「ビッチ」って呼ばれるようになった。
それまで仲良かったクラスの女の子たちも口をきいてくれなくなって、
影でひそひそと陰口をたたかれるようになった。
実里(でもね、
どんなに辛くても放課後いっくんに会えると思ったら平気だったよ)
だけどそんなクラスメイトからの嫌がらせが毎日つづいて、
いっくんと遊んでいるときもそのことを思い出して、
いっくんといるときはせめて笑っていたいのに
だんだんそれが上手にできなくなっていて・・・。
あのとき私がいつもと違うことに気づいて声をかけてくれたよね。
*回想
○公園
二人が小学4年生の頃。
心配そうに実里の顔をのぞき込む一樹。
幼い一樹「みーちゃん、なにかあった?」
幼い一樹「だいじょうぶだよ。心配しないで」
*回想終わり
あのとき、いっくんに話せなくてごめんね。
理由も言わずにもう会えないって、混乱したよね。
何より大切だったいっくんとの関係を
クラスメイトが放った心ない一言のせいで壊されるのが怖かったの。
嫌で、それが怖くて、
だからいっくんともう一緒にいない方がいいって思ったんだ。
*回想
○公園
いつも通り、二人で遊んでいた。
幼い実里「ごめん、いっくん・・・。わたしもう公園に来られなくなっちゃったんだ」
本当は泣きたい気持ちを抑えて無理に笑顔を作ろうとする実里。
幼い一樹「えっ?(びっくりして目を見開き実里を見つめる)
(一樹の大きな瞳にみるみると涙がたまる)な・・・・・・?
いやだよぉ・・・。ぼく、みーちゃんがいなくなったら」
幼い実里「ごめんね、、いっくん大好き。
っ・・・ばいばい」
そう言い残し、一樹を公園に残し去って行く実里。
後ろから「待って、みーちゃん、、行かないでっ!」と
一樹の泣き叫ぶ声が聞こえた。
本当は駆け戻って、抱きしめたかったけど、
振り返りそうになるのをぐっとこらえて、走りながら、
ようやくこぼれてきた涙を拭いながらその場を立ち去った。
*回想終わり
月が二人がいる場所を照らしている。
一樹「落ち着いた?」
実里が泣いている間ただ黙って隣にいてくれた一樹。
一樹「・・・って前もこんなことあったよな」
そう言ってははっと笑う。
実里「ずび(鼻をすする音)・・・。ありがとう、もう大丈夫」
そう言って涙を拭う実里。
(なんか私、いっくんの前で泣いてばっかりだな)
(普段こんなに涙腺緩くないのに・・・)
一樹がじっと自分のことを見つめていることに気づく実里。
そして、一樹が口を開く。
一樹「みさとが、俺と離れた後のこと話したがらないの気づいてた。
・・・もしかして、さっきの奴らが原因?」
実里「・・・」
一樹「お願い、話して。
俺、みさとに秘密にされるのさみしい」
そう言って本当にさみしそうな表情をする。
実里(・・・っまたそんな顔)
一樹の切ない表情に心臓がぎゅっとなる実里。
実里「あのね、いっくんがっかりするかもしれないけど――・・・」
意を決して話し始める実里。
*回想 美里と一樹が小学4年生にあがったころ
実里モノローグ
あれは、いっくんと出会って3年ほど経った頃だった。
出会った頃と同じように、学校終わりにそのまま家に帰らず
いっくんが待つ小さな公園へ向かうことは、私の大切な日課になっていた。
毎日毎日、いっくんとその日に学校であったことを報告し合ったり、
公園で王子様とお姫様になって遊んだり、
公園の奥に続く鬱蒼とした森をふたりで探検したり、
学校の図書室でお気に入りの絵本を見つければ、それを借りて
いっくんに教えてあげるのが楽しみだった。
本当に楽しくて、毎日いっくんと遊ぶために
学校に行ってたくらいだった。
毎日家に帰るのが夕方遅くになってからだったから、
家族にはものごく心配されたけど、聞く耳なんてもっていなかった。
だけど、日常の変化は突然訪れた。
あの公園は、通っていた小学校から離れていたし、人通りの少ない場所にあったから、
思いもよらなかったけど、
クラスの男子が偶然、私がいっくんとふたりで遊んでいるのを見かけたみたいで・・・。
ある日登校したら、
机に太い黒いマジックで大きく『ビッチ』って落書きされていた。
クラスのリーダー的な存在の男子が実里のところにやって来て、
「これお前のことだろ?お前みたいな奴のこと『ビッチ』って言うんだって!!」
教室中に響き渡る大きな声でそう叫んでげらげら笑ってた。
するとその男子を取り巻いていたほかのクラスメイトたちもつられてげらげら笑った。
次の日から、クラスメイトの男子たちから「ビッチ」って呼ばれるようになった。
それまで仲良かったクラスの女の子たちも口をきいてくれなくなって、
影でひそひそと陰口をたたかれるようになった。
実里(でもね、
どんなに辛くても放課後いっくんに会えると思ったら平気だったよ)
だけどそんなクラスメイトからの嫌がらせが毎日つづいて、
いっくんと遊んでいるときもそのことを思い出して、
いっくんといるときはせめて笑っていたいのに
だんだんそれが上手にできなくなっていて・・・。
あのとき私がいつもと違うことに気づいて声をかけてくれたよね。
*回想
○公園
二人が小学4年生の頃。
心配そうに実里の顔をのぞき込む一樹。
幼い一樹「みーちゃん、なにかあった?」
幼い一樹「だいじょうぶだよ。心配しないで」
*回想終わり
あのとき、いっくんに話せなくてごめんね。
理由も言わずにもう会えないって、混乱したよね。
何より大切だったいっくんとの関係を
クラスメイトが放った心ない一言のせいで壊されるのが怖かったの。
嫌で、それが怖くて、
だからいっくんともう一緒にいない方がいいって思ったんだ。
*回想
○公園
いつも通り、二人で遊んでいた。
幼い実里「ごめん、いっくん・・・。わたしもう公園に来られなくなっちゃったんだ」
本当は泣きたい気持ちを抑えて無理に笑顔を作ろうとする実里。
幼い一樹「えっ?(びっくりして目を見開き実里を見つめる)
(一樹の大きな瞳にみるみると涙がたまる)な・・・・・・?
いやだよぉ・・・。ぼく、みーちゃんがいなくなったら」
幼い実里「ごめんね、、いっくん大好き。
っ・・・ばいばい」
そう言い残し、一樹を公園に残し去って行く実里。
後ろから「待って、みーちゃん、、行かないでっ!」と
一樹の泣き叫ぶ声が聞こえた。
本当は駆け戻って、抱きしめたかったけど、
振り返りそうになるのをぐっとこらえて、走りながら、
ようやくこぼれてきた涙を拭いながらその場を立ち去った。
*回想終わり