可愛いわたしの幼なじみ〜再会した彼は、見た目に反して一途で甘い〜
第1話
○街中(夕方)
仕事や学校を終えた人たちが多く、騒がしい。
小森美里:身長159cm、肩までの黒髪(左右の毛先には若干のくせがある)
学校帰りで自宅へ向かう最中。
すれ違いざま、明らかに柄の悪い20代くらいのヤンキーカップルの男の方にぶつかってしまう。
実里「あっ・・・ごめんなさい!」
ヤンキー男「あぁ?」
実里をぎろりとにらむヤンキー男。
実里 不慮の事故でぶつかってしまった相手が、ザ・苦手な人種であり顔が青ざめる。
実里(ど、どうしよう・・・怖い)
ヤンキー男「ちょーイタかったんですけどぉ」
ヤンキー男 美里がその地域で割と名の知られた進学校の制服を着ているのを見て
ヤンキー男「ねぇ、きみさぁ。慰謝料って知ってる?」
いやらしく笑うヤンキー男。
隣にいたヤンキー女「もーww、やめなって。かわいそうじゃんw」
と笑いながら止めようとしない。
実里「ご、ごめんなさい」
青ざめながらなんとか声を絞り出す実里。
ヤンキー男「はぁー?なんて言った?聞こえなかったんですどぉー」
行き交う人たちもちらちらっとこちらに気づいている様子だが、ひそひそと傍観している。
実里(もう、最悪・・・)
ヤンキー男「黙ってちゃわかんねぇだろ!」
実里の肩をつかみ揺すろうとするヤンキー男。
実里 覚悟を決めて目をぎゅっとつむる。
「やめろ」
上から声が降ってくる。
ヤンキー男「は、なんだよお前」
ヤンキー女「(つぶやき程度に)わ、めっちゃイケメン・・・」
実里が目を開けたとき目に飛び込んできたのは、手首に大きく刻まれたドラゴンのタトゥー。
見知らぬ不良っぽい派手な見た目の男(服装を見るにどこかの高校生?)が、
実里の肩をつかもうとしていたヤンキー男の手首をつかみ、それを制していた。
見知らぬ不良風男子高校生:かなりの高身長。右手首にドラゴンのワンポイントタトゥーを刻み、
髪色はアッシュグレー、両耳にはピアスを付けている。
服装はどこかの高校の制服を着ている、ただし、いかにも不良と言った出で立ちで制服も着崩している。
ワイシャツの襟元はわずかにはだけ、隙間からシルバーのチェーンネックレスがのぞいている。
実里(こっ、怖い・・・!)
実里 思わず声の主の方を見上げるとバチっと目が合う。
その男子高校生も実里をじっと見つめていた。
実里(あれ、この目どこかで・・・)
数秒後、慌てて目をそらす。
実里(ってそんなわけない、逃げなきゃ・・・)
実里「あ、ありがとうございました」
実里 聞こえるか聞こえないかの小さな声で言い、相手と目を合わさないまま、
形式的なお礼だけ伝え急いでその場を後にする。
男子高校生「あっ、おい・・・!」
彼が何か言いかけるのが聞こえたが、聞こえないふりをして走って逃げる実里。
○実里の家の近く、閑静な住宅街(辺りは暗くなり始めている)
ようやく落ち着きを取り戻す実里。
実里(はぁ~・・・。怖かったぁ・・・。
今日は散々な日だったな・・・)
へなへなとしゃがみ込み、脱力。
実里モノローグ
男子が怖い。
クラスの男子ともうまく目を合わせてしゃべれない。
男子でもみんながみんなそうじゃないって頭ではわかっているのに、
あの甲高いゲラゲラとした笑い声が脳裏に焼き付いて離れてくれない・・・。
男子を前にするとあの恐怖を思い出して体がこわばる・・・。
もう何年も前のことなのに――。
*回想
○実里が小学4年生の頃、教室(朝)
ランドセルを背負ったままの実里。登校して教室に入った直後のこと。
幼い実里「や、やめてよ」
着ているワンピースの裾をぎゅっとつかみ、今にも泣き出しそうな表情の実里。
クラスメイトの男子「お前みたいなやつのこと、ビッチって言うんだって!!」
クラスの中心的人物の男子が開口一番、教室全体に響きわたるような大きな声でそう言った。
つられてゲラゲラと笑う男子たち。
*回想終わり
実里モノローグ
でも、今日のことは仕方ないよ、
男の人の中でも特に苦手な、派手で、私とは生きる世界が違う人たち。
あのカップルもそうだし、一応助けてくれた(?)あの高校生だって。
*回想
先ほどヤンキーカップルから実里を助けてくれた
不良風男子(おそらく高校生)を思い出す。
バチッと目が合ったことも。
手首に刻まれたドラゴンの大きなタトゥーの次に目に入ったのは、
切れ長の大きな瞳だった、一瞬見つめ合うような形になり、
思わずその瞳に吸い込まれそうになってしまった。
特に苦手なタイプの男子であることには違いないのに、
ただ見つめ返すことしかできないような。
*回想終わり
実里(あの目に見覚えがある気がするのはどうしてだろう?)
実里「絶対に関わりのないタイプなのに・・・」
皮肉な笑みを浮かべる実里。
実里(なんてね。
私みたいなやつ、女とも思われてなさそう・・・)
(とにかく、)
実里「怖かったぁ・・・」
大きく息を吐き出す実里。膝を抱えてしゃがみ込んだままでいる。
実里「会いたいよ、いっくん・・・」
実里モノローグ
辛いことがあったとき、いつも記憶の中の「いっくん」に声をかける。
私と同じ17歳か――・・・。あの可愛かった男の子は
今どんな風になってるだろう。
仕事や学校を終えた人たちが多く、騒がしい。
小森美里:身長159cm、肩までの黒髪(左右の毛先には若干のくせがある)
学校帰りで自宅へ向かう最中。
すれ違いざま、明らかに柄の悪い20代くらいのヤンキーカップルの男の方にぶつかってしまう。
実里「あっ・・・ごめんなさい!」
ヤンキー男「あぁ?」
実里をぎろりとにらむヤンキー男。
実里 不慮の事故でぶつかってしまった相手が、ザ・苦手な人種であり顔が青ざめる。
実里(ど、どうしよう・・・怖い)
ヤンキー男「ちょーイタかったんですけどぉ」
ヤンキー男 美里がその地域で割と名の知られた進学校の制服を着ているのを見て
ヤンキー男「ねぇ、きみさぁ。慰謝料って知ってる?」
いやらしく笑うヤンキー男。
隣にいたヤンキー女「もーww、やめなって。かわいそうじゃんw」
と笑いながら止めようとしない。
実里「ご、ごめんなさい」
青ざめながらなんとか声を絞り出す実里。
ヤンキー男「はぁー?なんて言った?聞こえなかったんですどぉー」
行き交う人たちもちらちらっとこちらに気づいている様子だが、ひそひそと傍観している。
実里(もう、最悪・・・)
ヤンキー男「黙ってちゃわかんねぇだろ!」
実里の肩をつかみ揺すろうとするヤンキー男。
実里 覚悟を決めて目をぎゅっとつむる。
「やめろ」
上から声が降ってくる。
ヤンキー男「は、なんだよお前」
ヤンキー女「(つぶやき程度に)わ、めっちゃイケメン・・・」
実里が目を開けたとき目に飛び込んできたのは、手首に大きく刻まれたドラゴンのタトゥー。
見知らぬ不良っぽい派手な見た目の男(服装を見るにどこかの高校生?)が、
実里の肩をつかもうとしていたヤンキー男の手首をつかみ、それを制していた。
見知らぬ不良風男子高校生:かなりの高身長。右手首にドラゴンのワンポイントタトゥーを刻み、
髪色はアッシュグレー、両耳にはピアスを付けている。
服装はどこかの高校の制服を着ている、ただし、いかにも不良と言った出で立ちで制服も着崩している。
ワイシャツの襟元はわずかにはだけ、隙間からシルバーのチェーンネックレスがのぞいている。
実里(こっ、怖い・・・!)
実里 思わず声の主の方を見上げるとバチっと目が合う。
その男子高校生も実里をじっと見つめていた。
実里(あれ、この目どこかで・・・)
数秒後、慌てて目をそらす。
実里(ってそんなわけない、逃げなきゃ・・・)
実里「あ、ありがとうございました」
実里 聞こえるか聞こえないかの小さな声で言い、相手と目を合わさないまま、
形式的なお礼だけ伝え急いでその場を後にする。
男子高校生「あっ、おい・・・!」
彼が何か言いかけるのが聞こえたが、聞こえないふりをして走って逃げる実里。
○実里の家の近く、閑静な住宅街(辺りは暗くなり始めている)
ようやく落ち着きを取り戻す実里。
実里(はぁ~・・・。怖かったぁ・・・。
今日は散々な日だったな・・・)
へなへなとしゃがみ込み、脱力。
実里モノローグ
男子が怖い。
クラスの男子ともうまく目を合わせてしゃべれない。
男子でもみんながみんなそうじゃないって頭ではわかっているのに、
あの甲高いゲラゲラとした笑い声が脳裏に焼き付いて離れてくれない・・・。
男子を前にするとあの恐怖を思い出して体がこわばる・・・。
もう何年も前のことなのに――。
*回想
○実里が小学4年生の頃、教室(朝)
ランドセルを背負ったままの実里。登校して教室に入った直後のこと。
幼い実里「や、やめてよ」
着ているワンピースの裾をぎゅっとつかみ、今にも泣き出しそうな表情の実里。
クラスメイトの男子「お前みたいなやつのこと、ビッチって言うんだって!!」
クラスの中心的人物の男子が開口一番、教室全体に響きわたるような大きな声でそう言った。
つられてゲラゲラと笑う男子たち。
*回想終わり
実里モノローグ
でも、今日のことは仕方ないよ、
男の人の中でも特に苦手な、派手で、私とは生きる世界が違う人たち。
あのカップルもそうだし、一応助けてくれた(?)あの高校生だって。
*回想
先ほどヤンキーカップルから実里を助けてくれた
不良風男子(おそらく高校生)を思い出す。
バチッと目が合ったことも。
手首に刻まれたドラゴンの大きなタトゥーの次に目に入ったのは、
切れ長の大きな瞳だった、一瞬見つめ合うような形になり、
思わずその瞳に吸い込まれそうになってしまった。
特に苦手なタイプの男子であることには違いないのに、
ただ見つめ返すことしかできないような。
*回想終わり
実里(あの目に見覚えがある気がするのはどうしてだろう?)
実里「絶対に関わりのないタイプなのに・・・」
皮肉な笑みを浮かべる実里。
実里(なんてね。
私みたいなやつ、女とも思われてなさそう・・・)
(とにかく、)
実里「怖かったぁ・・・」
大きく息を吐き出す実里。膝を抱えてしゃがみ込んだままでいる。
実里「会いたいよ、いっくん・・・」
実里モノローグ
辛いことがあったとき、いつも記憶の中の「いっくん」に声をかける。
私と同じ17歳か――・・・。あの可愛かった男の子は
今どんな風になってるだろう。