飛んでる聖女はキスの味
 クリスティーはさらに考えました。 (このままでは俺までが化け物にされてしまう。 どうしたらいいのだ?」
「スコラディウス殿 迷うことは無いのです。 あなたと私は遥かなる昔からこうして縁を結んできたのですから。」 「とはいっても、、、。」
 「心配には及びません。 この船ももうすぐポラニシアの港に着きます。 そうすればあなた様も分かって下さるでしょう。」 「ポラニシア?」
「そう。 カサブラーナ最後の港です。」 「最後の港?」
 クリスティーは何が何だか分からなくなってきました。 こうなってはホワイティアに従うより有りません。
料理を二人で拵えた彼はホワイティアを向かい側に座らせて食事を摂りました。 何とも言えぬ懐かしい味の食事です。
 「これはいったい、、、?」 「あなた様もこうしてカサブラーナの食事を召し上がっていたのですよ。 それが証拠にザイミールでは食べないカサブランカの花料理までお召し上がりになられたんですね?」
「そうだったのか。 この俺もカサブラーナの、、、。」 「そうです。 少しお判りいただけたようですね。」
 船はやがて港らしい入り江に入っていきました。 辺りには草原が鬱蒼と茂っているだけの、、、。
「ここが港であるか?」 「そうです。 古ぼけているように見えますが、カサブラーナではかなり新しい港なのです。」
 船は岸壁に接岸しました。 「降りましょう。」
梯子が下ろされ、ホワイティアとクリスティーナは岸壁へ恐る恐る降りました。 そこには誰も居ません。
 「こんな所でどうやって、、、。」 疑いを深めるクリスティーの口を塞いでホワイティアは口笛を吹きました。
すると、、、。
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