環くんは、フォーク化現象に悩まされている
私と環くんが並んで座るカウンターの向こうには、今、女子達が20人ほどいます。
推しを瞳に写しながら、頭上にハートを飛ばしまくっていて
「環くん、ほんとカッコいい~」
「眼福。極上の癒しだぁ~」
「お昼休みは環くんを拝まないと、午後の授業頑張れないよね~」
皆さん、目じりとほほを緩ませ、うっとり笑顔。
あのぅ、ここは図書室ですよ。
図書委員として注意するべき?
必要はないみたい。
環くんファンの皆さん、マナーが良すぎなんだ。
読書スペースは、カウンターからかなり離れているけれど。
本を読む生徒を気遣って、コソコソ声で話してくれるし。
誰かが本を借りに来そうだと察知すると、すぐにササッ。
カウンター前を開けてくれる。
ただ、環くんには注意した方がいいような。
だって……