環くんは、フォーク化現象に悩まされている

いきなり何?と言いたげな視線。

教室中のあちこちから私に突き刺さり、怖さがこみあげてきた。


逃げたい……でも変わりたい。


今までみたいに傷つかない場所を選び、自分の殻にこもっていたいけれど。

友達に嫉妬する苦しみから、解放されたい。


急に涙腺が緩みだして。

泣くなと脳に命令しても、聞き入れてもらえなくて。


「アイドルステージカフェ……手伝えなくて……ごめんなさい……」


声を弱らせながら、私はボロボロと泣き出してしまった。



怒られるかもしれない。

クラスメイトなんだから、手伝えよって。


思っている人がいるかもしれない。

感謝するなら、文化祭当日じゃなくてもっと早くに言えよって。



クラスメイトの顔を見るのが怖い。

うつむいたままで、顔なんてあげられない。


足が震えちゃう。

涙が止まらない。

どうしよう……

私はどうすれば……

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