環くんは、フォーク化現象に悩まされている
「なんで千夜湖ちゃんが謝るの?」


「それだったら、うちらの方がごめんだよね?」


えっ?

優しい声が目の前から聞こえてきて、顔を上げる。


「生徒会長の手伝い、市護さん一人でやらなきゃいけないんでしょ?」


「……うん」


「クラスの出し物の準備でいっぱいいっぱいでさ、写真部の手伝いまで手が回らなくて悪かったな」


「最近の放課後は、生徒会長との打ち合わせで、学園内を回りまくってたらしいじゃん。マジでお疲れ~って、心の中でねぎらってたわ。市護のこと」


気づいたら私の周りには、心配顔のクラスメイトがわちゃわちとゃ集まっていた。



「オマエさ、俺らに悪いって思ってたわけ?」


「……私も……やらなきゃいけないのにって……」

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