環くんは、フォーク化現象に悩まされている

「文化祭の写真を撮ることは、生徒会長様直々(じきじき)の命令だろうが」


「俺が頼まれてたらと思うと、吐き気するわ」


「ヘマできないし、すっげーレベル高い写真を求められそうだよな」


みんながウンウンと頷いてくれている。


「わかる~。千夜湖ちゃんも大変だね~」と言いながら、女子3人が私の腕を優しくさすりだしてくれたから


――この温もり、私が憧れていたものだ。

嬉しさの雫が目からあふれ出て、止まらなくなっちゃった。



「私……怖くて……」


「何が怖かった?」


「私なんかが話しかけたらみんな嫌かなとか……迷惑かなとか……いろいろ考えちゃって……挨拶とかも自分からできなくて……」


「あぁ~、それね」


「千夜湖ちゃんの気持ち、すっごくわかる」


「怖いのは、私も一緒だよ」


えっ? 

一緒?

みんなはお友達と、ワイワイ楽しそうに話しているのに?
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