環くんは、フォーク化現象に悩まされている

「私の部屋にもいるよ……ミヤビくん……だけじゃないか。メンバー全員の抱き枕とか……ポスターとか……」


「千夜湖ちゃんって、まさか同志?」


「私は……ハルキくん推しだけど……」


キュートな甘えキャラで、ちょこっとだけ環くんに似ている気がして……



「千夜湖ちゃん、今からうちらは推し友ね」


ひゃっ。

キラキラな瞳の渚さんに、私の掌を両手で包まれちゃった。



「でも私なんかと話しても……渚さんは楽しくないかも……」


「何を言ってるの? 推しの話ができるんだよ。好きなものを語り合える友達なんて、貴重でしょ!」



友達……?

うわぁぁぁぁぁ~~。


ずっと欲しかった。

友達というものが、私にもできた。


嬉しいよ。

感激しすぎて、また涙腺が緩んじゃう。



「こーら渚、独り占めはダ~メ」


「うちらとも仲良くしてよね、千夜湖ちゃん」


「はい!」

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