環くんは、フォーク化現象に悩まされている
「高1の終わりぐらいかな。写真好きだし、部員募集のポスター貼ってあったから」
「言ってくれれば……」
「あいつに相談したよ。でもキッパリと断られた」
えっ?
「……あいつって」
「環。隣のクラスの、珠須島環」
環くんに?
そんなこと、信じられないよ。
だって私が『写真部が廃部にならないように、部員が増えたらいいんだけどな』ってぼやくたびに、
『俺も協力するね』
にんまり笑顔で微笑んでくれていたし。
三枝君に同意するかのよう。
近くにいたクラスメイト達が、にがい顔をし始めた。
「市護さんに話しかけようとした時に、珠須島くんに睨まれたことがあるよ」
「私もある。近寄るなって訴えてるような、ずっごく怖い目でさ」