【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜
(また変に悪目立ちしないといいけど)
中間テストのときは、意思を持った珍妙な生き物を生み出したせいで注目の的となった。それ以外でも、聖女の才能を無自覚に発動させて、生徒や教師陣から必要以上に過大評価されている。
「また殿下ご指名だ。きっとまた何かすごいことするぞ」
「いつも私たちの想像を軽々と超えてきますからね」
男子生徒たちが会話しているのが聞こえる。変にハードルを上げないでほしい。
壇上に上がり、オリアーナはずらりと並ぶ杖の前に立った。
「では、アーネルさん。さっそくご自分に合うと思う杖を選んでみなさい。触っていただいても構いませんよ」
「分かりました」
青、赤、黒、緑に黄色。それぞれの杖に触れていくが、なぜかどれもしっくりこない。仕方がないので、無難に光属性の精霊が宿った杖を手に取る。
「では、その杖を使って魔法を唱えてみなさい」
「はい。――光よ」