【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜



 《――光の祝福(ブレッシング)


 すると、目の前に金色の蝶が現れた。羽をひらめかせながら、一同のことを囲うように飛び光の粒になって消えた。魔法石に頼らない、オリアーナ自身の魔法だ。始祖五家の出来損ないと言われ続けてきたオリアーナにとって――初めての。

 可憐な蝶を見たレイモンドは、少しだけ泣きそうになりながら言った。

「よかった。……姉さんが本来の力を取り戻せて。本当によかった……」

 はぁと大きく息を吐く。彼は自分の病気のことよりも、オリアーナが魔法が使えることになったことの方が嬉しいように見えた。つくづくレイモンドは、お姉ちゃん子だ。



 ◇◇◇
< 109 / 138 >

この作品をシェア

pagetop