【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜


「姉さんの行動がいつでも分かるように遠隔魔法をかけているので」
「怖っ。シスコン通り越してストーカー?」
「ち、違います! もちろん危機が迫ったときにだけ伝わるようにしていますから!」

 慌てふためくレイモンドに、オリアーナはふっと笑う。

「何はともあれ、ありがとう。レイモンド」

 すると、ようやく他の教師たちと魔法士団の部隊が到着した。ようやくと言っても、出現からほんの十数分足らず。たったその時間で超上級魔物の討伐を完了させてしまったことに、皆驚愕している。

「ま、まさか。不定形の超上級魔物をこの人数で……?」

 驚く魔法士たちの隙間を掻い潜り、ジュリエットがオリアーナに飛びついてきた。

「オリアーナ様……っ。大丈夫ですか!?」

 泣きながら何度も顔を撫でて、無事を確かめてくる。ピンピンしている様子から、優秀な治癒魔法士に癒してもらったのだと予想した。

「大丈夫。怪我はないよ。ちょっとジュリエット。そんなに泣かない。綺麗な顔が台無しだよ?」
「うっうう……ごめんなさいっ。わたくしが不甲斐ないばかりに……っ。わたくし、もっと強くなります。オリアーナ様を守れるくらいに……っ」
「私にも君を守らせてよ。友達でしょ?」
「……はい……っ」
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