【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜
手持ち無沙汰にグラスを触りながら、口を開く。
「いつも……味方でいてくれてありがとう。セナがいてくれたから、今の私がいるんだと思う。私さ、ジュリエットみたいに女の子らしくはないし、無鉄砲で意外と頑固だったり……悪いところいっぱいあるけど……。それでも――いいの?」
少しだけ不安な眼差しでセナを見つめる。セナはオリアーナの頬を撫でながら、「何を今更」と優しく囁いた。
「全部ひっくるめてお前が大好きだよ。オリアーナ。お前以外は――考えられない」
「…………」
「リアは俺にとって、ヒーローなんだ」
「ヒーロー?」
「そう。小さいころからずっと憧れていた存在。でも今は……愛おしいって思うよ。リアは皆の頼りになる存在かもしれないけど、俺はお前を支えられる存在になりたい」
目の奥が熱くなって、視界がぼやける。指先で熱いものを拭いながら、微笑んだ。
「もう十分……なってくれてるよ」
その直後、額に優しく口付けをされた。バルコニーの壁に映る二人の影が重なる……。