【完結】魔法学院の華麗なるミスプリンス 〜婚約解消された次は、身代わりですか? はい、謹んでお受けいたします〜


 オリアーナは、震えた声でこちらに迫って来た。

「弱気なこと言わないでよ。早く……元気になってよ」
「諦めてなんていません。叶うなら早く元気になりたいと……毎秒ごとに思っています」
「ならどうして……っ。どうして魔力が異常増幅していることを隠したんだ?」
「!」

 レイモンドは目を見開いて、言葉をなくした。

「その顔、事実なんだね。病気に関係があるかもしれないのに、なぜ黙っていたの?」
「姉さんには関係のないことだからですよ。出て行ってください」
「は? なんで、」
「今は姉さんと話したくないと言っているんです」

 冷たい声であしらい、彼女に手をかざす。

「待って、まだ話は終わって――」

 呪文を唱える。


 《――強制・(フォースド)転移(テレポート)


 魔法が発動し、セナとオリアーナは部屋の外へと飛ばされる。レイモンドは魔法で扉を閉じて施錠した。

「ゲホッゲホ……ごほっ」

 少し無理をしてしまったようだ。痛む胸を抑えながら、荒い息を整える。
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